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メジャーのトレード

さて、メジャーリーグもオフシーズン真っ盛り。
MLBでは、日本のNPBよりもFA獲得やトレードが頻繁に行われます。
日本では考えられないでしょうが、球団経営という視点から、
MLB各チームで総年俸の上限が決められており、戦力的にというより、
高額で抱えられないという意味で、スター選手を容易く放出する
ケースも多いですから、ファンには見逃せない楽しみとなります。
補強コンセプトの定型は、以下のように3タイプあります。

1)リビルド型
このタイプの補強目的は、チームのスター選手を放出して、トレード先の
若手有望株を集め、数年後に安いペイロール(総年俸)で強いチームを
作ることにあります。
スター選手を出しますから、少なくともその年は、かなり戦力ダウンします。
「今」と引き換えに「将来」を買うタイプの補強です。
今年、テハダやベダード、ロバーツ等のスター選手の放出を試みている
オリオールズや、サイヤング賞左腕サンタナを売りに出しているツインズが
典型です。マーリンズやアスレティックスは、この数年はずっとこの指向で
やりくりしています。

2)今年勝負型
リビルド型の逆で、若手有望株を放出して、スター選手を獲得します。
一気に戦力が上がり、ペナントレースで優位に立てますが、若手を
放出するのでファームが崩れ、数年後の若手の台頭は期待薄になります。
「将来」と引き換えに「今」を買うタイプの補強です。
今年、カブレラとウィリスを獲得したタイガースや、ヘイレンを獲得した
Dバックスなどが典型です。

3)バランス型
若手とベテランの混合型で、一番多いタイプです。
パターンとしては、スター選手と契約延長したり、トレードで戦力を
放出する必要のないFA市場でスター選手を獲得したりして、若手も
温存・育成するというやり方が一般的でしょうか。
継続してスター選手を保持するので、人気も損なわれませんが、総年俸は
徐々に高額になるわりに、若手混同によるチーム全体の成長スピードは
遅いかもしれません。また、綺麗に世代交代できれば最高ですが、
ポジションが偏るなどでなかなか上手くいかないケースも多く、
リビルド側と勝負側の意見が分かれ、結果的に中途半端な補強と言われる
こともあります。エンジェルスやマリナーズ、意外かもしれませんが、
ヤンキースもこのタイプです。ベテランの引き留めと、ヒューズや
チェンバーレインといった若手を出さずに混合チームとなっています。

ただ、どのタイプもそのチームの固定的な方針というわけではなく、
そのチームの成長サイクルなどの内部的事情や、FA市場の魅力度などの
外部要因から急に変わることもしばしばあります。
例えば、リビルド指向のチームの戦力が上がってきて、優勝に手が
届きそうになり、他チームに魅力的な選手が売るに出たことで、一気に
今年勝負型に戦略変更するチームもありますし、その逆もあります。
一番多いのはバランス型から、リビルド型に進んだり、今年勝負型に
進むケースでしょうか。今年は、数年バランス型でやってきたエンジェルス、
マリナーズ、ヤンキースがそれぞれ、サンタナ投手やベダード投手といった
エース級の獲得競争に参戦しており、獲得に成功したチームは若手有望株を
大量に放出しますので、今年勝負型に移行することになります。

逆に、サンタナを出すツインズは、彼のFAが今季終了後に迫り、
彼の再契約にかかる年俸(約$20M/年以上)を払えないことが、
すでに分かっているために、契約1年を残して他チームに譲る代わりに
そのチームの有望株を引き抜くわけです。
有望株といっても、ホームラン王を獲得したPHIのハワードや、首位打者を
獲得したMINのマウアーなど、若手有望株が低い年俸のまま、早い時期に
開花することも多いですから、上手くいけば、低予算のまま長く一線級の
スター選手を保持できることになります。

ところで、このところ、松井秀喜のトレードの話が日本で盛んに
報道されてますが、これは現実的ではありません。
彼の年俸は既に年額$10Mを超えており、怪我を抱えて手術明けの
チャンスに弱く、外野守備にもおぼつかない高額選手をわざわざ
引き受けるチームは、そうはないからです。
ピークを迎えたサンタナ投手やベダード投手であるからこそ、
若手有望株を数名出しても獲得したいと皆が思うわけですから、
(日本の報道では伝わっては来ませんが、)かなり評価が
落ちた松井秀喜選手は魅力的なトレード対象にはなりえません。
一時報道にあったようなサンタナとの交換相手など以ての外で、
日本のNPBでいえば、清原とダルビッシュを交換してくれという
ような話ですから、釣り合うわけがないですね。
この辺の日本の報道は、なんとかならないでしょうか。

松井もどうにかしないと、このまま控えで終わってしまいます。
ただ、もしヤンキースがサンタナを獲得できれば、見返りの
一人としてセンターのカブレラが放出されるので、レフトの
レギュラーが復活しますが、サンタナの獲得状況的にはかなり
厳しいので、やはり控えが多くなりそうです。

そろそろ彼は、日本球界の復帰を考える時期かもしれませんね。
「元ヤンキースの4番」という看板で、メディアに面目を立てて
もらって凱旋帰国した方が、個人的には彼の人生観に沿う気がします。
まあ今期はもう帰国の手立てを講じる時間がありませんので、与えられた
チャンスをがんばるだけですね。レギュラー陣も怪我持ちなので、
彼にまだ運がまだあるようなら、起死回生のチャンスはまだあります。

まだまだオフシーズンの選手の移動は花盛り。
今季はいろんな意味で非常に楽しみなシーズンです。

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